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伊吹山の山頂から。 : 2022.08.25

こんばんは、master-pieceの福井です。

冒頭から清々しいまでの山々の写真ですが、こちら滋賀県と岐阜県を跨ぐ日本百名山の一つ「伊吹山」山頂からの風景です。

どうして私がここにいるのかといいますと、半年に一度お披露目させていただいているmaster-pieceのシーズンルックの舞台を決めるべく、ロケハンの為に訪れたのです。

ここ最近のシーズンルックは鳥取砂丘にはじまり、長野県の劇場や、栃木県の洞窟までと様々なロケーションを舞台として選んできたのですが、毎シーズン新作バッグのサンプルを眺めながら、この子たちをお披露目する舞台はどこがいいかと考えるのが楽しみの一つです。

6月上旬、別件でカメラマンさんのスタジオにお邪魔していたときの事。会話の中で私がふと「いい場所ありますか」と聞いた時に、「光がとても綺麗でしたよ」と教えてもらったのがこの伊吹山。

調べてみると日本百名山の一つであり、冒頭の写真の通り日本の自然美を感じさせてくれる圧巻の景色を有する山です。こちらではちょうど北側、岐阜県から福井県にかけて望んでいますが、ちょっと左を向くと滋賀県の琵琶湖を一望できる。そんな素晴らしいロケーションです。

標高が1300m程度あるのですが、ドライブウェイが通っており麓から9合目まで車で行くことも可能というアクセスの良さ。山頂を歩きながら、ここではこんなカットを撮ろう、そこではあんなカットが撮れると話し合いを重ね、今回はこの伊吹山を舞台にすることに決めました。

大阪に戻ってからはロケハンで撮影してもらった写真や作成した資料を確認しながら、スタイリストさんにメイクさん、モデルさんなど、本番には欠かせないメンバーの方々にシーズンを表現するビジュアルのイメージや、スケジュールなどを共有していきます。

他にも様々な準備を経て、いよいよ撮影当日となった8月頭に再度現地入りです。
まずはこちらの動画をご覧ください。

そう、真っ暗です。冒頭でご覧いただいた写真とはまるで対極の。
これはドライブウェイを走っている車の助手席から撮影したのですが、時刻は午前3時ごろです。ここからあと15分ほど走らせるともう9合目に到着するのですが、日の出予報は5時前後。なぜこんなに早く向かっているのか。

その理由はロケハンの時に遡るのですが、前回9合目に到着したのは朝9時ごろ。その道中すごく印象的だったのが山頂付近を漂う「霧」だったのです。9時ということでかなり晴れてきてはいましたが、それでもすごく幻想的な風景に目を奪われ、この霧を使わない手はないと思ったわけです。
そして霧の濃い早朝を狙って、大幅に時間を前倒し、深夜から撮影に挑むことになりました。
(余談ですが、この伊吹山ドライブウェイ、普段は夜間の通行ができないのですが、夏季は週末や連休などに限り24時間通行ができるそうです。星空がすごく綺麗だったのでご興味がある方はぜひ。)

9合目から山頂までは徒歩で登るのですが、バッグや衣装に機材など、重い荷物を持って真っ暗な山道を3〜40分ほど歩きます。これが想像していたよりずっと険しい道のりでした。ちなみに真っ暗な山道の足元を照らし、大活躍してくれたのは以前ご紹介したmilestone × master-pieceのヘッドランプです。

山頂についてからも相変わらず真っ暗なのですが、ヘッドランプの灯りを頼りにスタイリングやメイクなど本格的な準備を進めていきます。

そして日の明かりとともに霧が山頂を覆い出した頃、いよいよ撮影が始まります。
8月上旬ともいうのにとにかく寒い。動画で見てとれる煙の様なものが霧なのですが、細かいシャワーにずっと当たっているような感じで、こまめに拭いておかないとびしょ濡れになってしまう程でした。アップの動画だとさらに霧の感じが分かりやすいのでそちらも載せておきます。

場所やスタイリングを変更しながら撮影を敢行し、終了したのが7時ごろ。気づけば辺りも明るくなっていました。この撮り終えた瞬間は本当にホッとします。

日が変わる前に出発して、山を登りびしょ濡れになってまた帰る。思い返してみると改めてハードなロケでしたが、真っ先に頭をよぎるのは「楽しかったなぁ」という思いです。青臭い事を書きますが、過酷な状況の中でもメンバーの皆がベストを尽くしてくれて、それを真横で見れる。チームで何かの試合に勝った時の様な感覚です。

出来上がった今シーズンのLOOKですが、本当にいいものになったと自負しています。
ぜひ皆様に見ていただきたいですし、このLOOKを通して8月から年末にかけてのmaster-pieceの新作たちと、伊吹山の幻想的な世界観を楽しんでいただければ幸いです。

master-piece 2022-23AW COLLECTION