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アイデンティティ : 2020.10.07

端から見なくても立派な年齢になり、日々時間の流れる早さに追われながら、最近はふと昔の事を思い出したりするのですが、
「自分って昔から変わらないなぁ」みたいな部分、誰にでもあるかと思います。
私の場合は大阪出身で、それこそ毎週吉本新喜劇や若手漫才師のネタ番組を見ながら育ったこともあり、会話の中で笑いを取ることがカッコよく感じる節がありまして、(自分が面白いかはさておき)
それは、小学生のクラス会で親友と一緒に漫才を披露していた頃から続いているような気がします。

俗に言うアイデンティティなのですが、それはブランドに置き換えても存在するものだと思っていまして、master-pieceでいうと、その一つが自社ファクトリー「BASE」になります。

少し真面目な話になりますが、「BASE」が生まれた背景から触れると、master-pieceが生まれた当初はまだ街中でご覧いただく場所も多くなく、一度に生産できるアイテムの数もごく僅かでした。
一般的にコストが低いとされる海外生産は、一度に大量の発注が必要だった為難しい。
そんな状況の中、誰がmaster-pieceのバッグを縫製してくれたのかといいますと、近隣のカバン工場の職人さんでした。
少数からの生産を担ってくれたことは勿論、縫製の技術、フレキシブルな感覚。
そんなものづくりの姿勢に支えられたところからmaster-pieceのメイドインジャパンは始まりました。

ただ、ご存知の方も多いかと思いますが、日本のものづくりを取り巻く環境は当時から深刻で、高齢化や後継者の不足、海外生産の増加などにより、減少の一途を辿っています。
自分たちが支えられたこの環境を10年、20年先にと残していきたいと考えた時、master-pieceの生産を通して日本のものづくりを継承できる環境を作るべく、2008年、大阪と豊岡に自社ファクトリー「BASE」を設立しました。
両拠点には20代から70代に渡る約70名の職人が在籍しており、縫製師をはじめ、裁断師、パタンナー、生産管理、修理、検品など職種は多岐に渡ります。熟練の職人は技術と知識を教え、若い世代は固定概念に囚われないアイデアを生み、デザイナーとともにmaster-pieceが掲げる「ファッション性とスペックを追求した先に辿りつく”機能美”」を作り上げています。

一概にメイドインジャパンというと、=品質の良さというイメージがありますがそれは勿論のこと、master-pieceの歴史を紐解くと、人や環境に恵まれた先に生まれる”事”という意味合いが大きいと思っています。

と、非常に暑苦しい事を書いておりますが、そんな「BASE」の大阪拠点「BASE OSAKA」が今年リニューアルしまして、ようやくご紹介できる映像が完成しましたので、是非ご覧ください。
我々のアイデンティティが詰まったこの光景、いつか皆様に直接見てもらえる場を作りたいと思っています。

master-piece 福井